アパートが競売になったら?入居者の退去リスクとオーナーが今できること
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この記事でわかること
- アパートが競売になっても、入居者がその日のうちに退去を求められるわけではありません。
- 競売を放置すると、裁判所の調査などをきっかけに入居者の大量退去が起き、空室率が急上昇するおそれがあります。
- 競売にかけられた物件は、一般の不動産市場よりも大幅に安値で買い叩かれやすく、多額の残債が残る原因になります。
- 任意売却(オーナーチェンジ)に切り替えれば、市場価格に近い水準で売却できる可能性と、入居者がそのまま住み続けられる可能性が残されます。
- ローン残高や物件の市場価値、入居者の状況を早めに整理しておくことが、任意売却の成功率を引き上げます。
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アパートローンや事業用ローンの返済が厳しくなると、所有している投資用アパートが競売へ進む事態が現実味を帯びてきます。ただ、裁判所から競売開始決定通知という法的な書類が届いたからといって、その日すぐに物件の権利を失ったり、入居者が強制退去させられたりするわけではありません。
競売手続きが始まった後であっても、通常の投資用不動産市場にオーナーチェンジ物件として売り出す「任意売却」など、被害を最小限に抑える、現実的な対処法が残されています。
NHKニュース7/クローズアップ現代(NHK)/報道ステーション(テレビ朝日系)
アパートが競売になると、入居者はどうなる?
競売開始後もすぐに退去を求められるわけではない
アパートが競売にかけられたからといって、入居者が即座に追い出されるわけではありません。買受人(落札者)が決まった後も、法律上6か月間は明け渡しが猶予されるため、突然住まいを失う事態は避けられます。
ただし、この猶予期間はあくまで一時的な措置に過ぎません。期間が終われば新しい所有者から退去を求められる可能性が高く、オーナーとしてはこの猶予期間があるうちに今後の方向性を整理しておくことが求められます。何も対応しないまま放置すれば、入居者との間で取り返しのつかないトラブルに発展するおそれがあります。
敷金の返還や契約引き継ぎでトラブルになりやすい
競売によってアパートの所有者が変わると、それまでの賃貸借契約が当然には引き継がれず、入居者は新しい所有者との間で契約を結び直さなければならないケースが大半です。
特に問題になるのが、以前のオーナーに預けていた敷金の扱いです。抵当権が設定された後に契約した入居者の場合、新しい所有者に敷金返還義務が引き継がれないことが多く、退去時に敷金が戻らないという事態が発生します。さらに、新しい契約では家賃や入居条件が以前より厳しくなることも考えられます。こうした不利益や不安から、競売の事実を知った入居者が次々と退去してしまう事態が起こります。
収益物件(アパート)を競売のまま放置する3つのリスク
裁判所の調査をきっかけに入居者が一斉退去
競売の手続きが進むと、裁判所の執行官が現況調査のために物件を訪れ、各部屋の入居者へ聞き取りや通知を行います。この訪問によって「オーナーが返済に行き詰まり、このアパートは競売にかけられている」という事実が入居者全員に知れ渡ることになります。
住環境に対する強烈な不安を感じた入居者は、猶予期間を待たずに自ら引っ越しを検討し始めます。結果として空室率が短期間で急上昇し、物件の収益価値がさらに下落するという悪循環に陥る危険性が高いと言えます。
投資家からリスク物件として安値で買い叩かれる
競売にかけられた物件は、一般の不動産市場よりも大幅に低い価格で落札される傾向があります。特にアパートのような収益物件は、室内の内覧ができないことや入居者とのトラブルを抱えている可能性があることから、投資家からは敬遠される、リスク物件として相場より3割から5割ほど安く買い叩かれることが少なくありません。強制的に売却されたにもかかわらずローンを完済できず、多額の借金だけがオーナーの元に残ってしまう、ということになりかねません。
家賃を差し押さえられると物件が荒廃していく
返済の滞納が数ヶ月続くと、金融機関は貸金回収のためにアパートの家賃債権を直接差し押さえることがあります。家賃が強制的に引き上げられれば、以後はオーナーの手元にお金が入らなくなり、共用部の電気代や清掃費、設備の修繕費用などを捻出することが不可能になります。
適切な維持管理ができなくなったアパートは急速に荒れ果て、さらなる退去者を招き、競売での落札価格をさらに押し下げてしまいます。当然ながら、競売で手放した後も滞納していた固定資産税などの支払い義務は消えないため、収入源を断たれたまま負債だけが重くのしかかる状態になります。
競売を回避し、入居者も守る「任意売却(オーナーチェンジ)」という選択肢
任意売却※とは、金融機関の同意を得て競売の手続きを途中で止め、一般の不動産市場で物件を売却する方法です。裁判所に強制処分されるのを待つのではなく、市場価格に近い適正な価格での売却を目指すため、競売とはまったく異なる結果につながる可能性があります。
一般の投資家へ「オーナーチェンジ」として適正価格で売却する
任意売却では、通常の不動産売買と同じように広く一般の投資家に向けて物件を売り出します。競売のように相場より大きく値を下げて不当に安く売られることは少なく、入居中のアパートを「オーナーチェンジ物件」として、現在の稼働状況に見合った価格での売却を目指すことが可能です。
売却の主導権がオーナー側にある程度残るため、引渡し時期や条件について事情を踏まえながら交渉を進めることができます。競売よりも高い価格で売却できれば、その分だけ残る借金を圧縮することにつながります。
買主の目的は家賃収入であるため、入居者がそのまま住み続けられる
任意売却は通常の不動産売買の枠組みで進むため、物件は「賃貸中の収益物件」として売りに出されます。新たな買主は自分で住むためではなく、家賃収入を得ることを目的に購入するため、オーナーが変わった後も以前の賃貸借契約がそのまま引き継がれるのが一般的です。
これにより、入居者はこれまでと同じ条件のまま住み続けることができます。競売のように裁判所の執行官が突然訪ねてくることもないため、入居者の不安や混乱を最小限に抑えながら、穏便に物件を手放すことが可能となります。
手遅れになる前に!最悪の買い叩きを防ぐための確認ポイント
「毎月の家賃収入はあるから、まだギリギリ持ちこたえられるだろう」と考えてしまうケースは多いものの、アパートは戸数が多い分、入居者や複数の金融機関との利害関係の調整に膨大な時間がかかります。手遅れになる前に、まず以下の3点を整理しておくことが重要です。
- 現在のローン残高と遅延損害金の総額の把握
- アパートのリアルな市場価値の査定(実質利回りなど)
- 入居者の家賃滞納状況やこれまでの修繕履歴の整理
これらの運用状況が明確になっている物件ほど、一般市場の買い手からの信頼が高まり、結果として任意売却が成立する確率が上がります。少しでも早い段階で正確な情報を整理しておくことが、より有利な条件での売却を実現する鍵となります。
まとめ
一棟アパートの競売トラブルは、個人の住宅以上に複雑な事情が絡み合います。現在住んでいる入居者への配慮や適切なアナウンスを怠ると、一斉退去や物件価値の下落など、取り返しのつかない事態に直面することになりかねません。
目先の借金処理だけでなく、入居者への責任を果たしながら売却後の生活再建までを見据えて動くには、専門的な知識と交渉力が不可欠です。「まだなんとかなる」という油断を捨て、少しでも早い段階で専門家へ相談し、解決に向けた道筋を探ってみてください。
※2026年4月1日時点
競売回避なら
NHKニュース7/クローズアップ現代/
NHK NEWS おはよう日本/
報道ステーション
アパートの競売は、時間が経つほど入居者への被害も拡大するうえ、オーナー自身の負債も雪だるま式に膨らんでいきます。誰にも言えずに一人で悩んでいる状態であれば、まずは専門家に現状を共有することが解決への第一歩となります。入居者の生活を守りつつ、オーナーご自身が新たなスタートを切るために、無料相談などを通じてお話をお聞かせください。