- ご相談者:和田さん(仮名)・70代後半・娘さんと2人暮らし
- 当時の状況:年金と娘さんの収入で暮らしていたが、管理費・修繕積立金の負担が重くなり、住まいの維持が難しくなっていた
- 抱えていた悩み:売却しても生活資金が十分に残るとは思えず、引っ越し費用も次の家賃も見通せなかった
- リスタート・峯元さんが行ったこと:売却だけを押し切らず、生活の継続を前提にリースバックで調整
- 結果:無理に住み替えを迫られず、今の住まいで暮らしを続けられる形に着地した
競売回避なら


管理費の上昇が、暮らしを
じわじわ圧迫していた
和田さん(仮名)は79歳。娘さんと2人で暮らしています。
年金は2か月で20万円、娘さんの収入は月15万円ほど。生活がすぐに立ち行かなくなるわけではないものの、余裕がある状況ではありませんでした。
そこに重くのしかかっていたのが、月3万6000円まで上がっていた管理費と修繕積立金です。購入時には、ここまで負担が増えるとは思っていなかったようで、そのことへの納得のいかなさも残っていました。
売れば終わる話ではなかった
住まいの維持が難しくなれば、売却を考えるのは自然です。ただ、和田さんにとっては、売却してもそれで安心とはなりませんでした。以前に「売っても1000万円くらい」と聞いたことがあり、それではその先の生活が成り立たないと感じていたためです。
引っ越し費用もない。次の家賃を安定して払い続ける見通しも立たない。問題は、今の家をどうするかより、売った後にどう暮らすかでした。
高齢の母娘にとって、
住み替え自体が大きな負担だった
和田さんは右ひざの通院も続いており、年齢的にも住み替えを簡単に進められる状況ではありませんでした。しかも、今の住まいに至るまでにも、戸建てからマンションへの住み替えを経験しています。そこで生活の基盤を整えてきた人にとって、さらに条件を下げた住まいへ移ることは、数字以上に負担が大きくなります。
娘さんと2人で新しい賃貸を探すとしても、借りられる部屋の条件は限られます。現実的には、家賃を抑えた小さな物件に移るしかない一方で、その暮らしに切り替える心理的ハードルも高かった案件です。
リスタートは「売却して終わり」にしなかった
このケースで、手元資金だけを優先すれば、売却を選ぶ考え方もあります。ただ、それでは生活の再建になりません。和田さん本人も、売ったあとにもっと厳しい住環境へ移ることには強い抵抗がありました。
そこでリスタートは、売却額の大小だけではなく、この先も無理なく暮らせるかを基準に整理し、リースバックで住み続ける方向に調整しています。
正解は「一番お金が残る方法」とは限らない
不動産の相談では、売ったほうが得か、住み続けたほうが得かという見方になりがちです。ですが、高齢の方の住まいは、手元にいくら残るかだけでは決まりません。引っ越し先の確保、その後の家賃負担、生活の切り替えまで含めて考える必要があります。
米沢さんのケースは、「売れば解決」ではなく、「住み替えた後の暮らしまで成立するか」を基準に見ないと判断を誤る典型例でした。
このケースでは、売却すれば一定のお金が残る可能性はありました。
ただ、実際にはその後の引っ越し費用や、新しい住まいでの家賃負担まで考えないと意味がありません。高齢の方の場合、数字だけ見れば有利に見える方法が、生活の面では成り立たないことも多いです。
今回は、今の住まいを手放したあとの生活まで考えたときに、無理に住み替えを進めるより、住み続けられる形を整えるほうが現実的でした。
住まいの問題は、売るか残すかだけではなく、そのあとも安心して暮らせるかどうかまで含めて判断する必要があります。