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開札まで実質9営業日だった競売回避事例

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開札まで実質9営業日だった競売回避事例
1分でわかる要点
  • ご相談者:石田さん(仮名)・60代後半・単身
  • 当時の状況:再雇用で収入が大きく下がり、その後の病気と失職も重なって住宅ローン返済が難しくなっていた
  • 抱えていた悩み:借入状況は把握しているものの、片付けも整理も進まず、新しい生活に切り替える力が残っていなかった
  • リスタート・峯元さんが行ったこと:横浜信用保証との調整を急ぎ、残置物そのまま・3か月の引き渡し猶予付きで買取を実行
  • 結果:開札直前のタイミングで競売を回避し、住まいと生活の立て直しに向けて動ける状態をつくった

収入が下がったあとに、
さらに病気と失職が重なった

石田さん(仮名)は67歳。もともとは官公庁に納品した電化製品の整備の会社で、手続きや段取りを担う事務方として長く働いてきました。ただ、思っていたように給料は上がらず、60歳で定年を迎えたあとは再雇用となり、収入は半分ほどに低下。さらに63歳頃には腎臓系の病気で半年ほど働けず、最終的には65歳で契約満了となりました。

「定年後の減収」と「病気による離職」が続けて起きたことで、住宅ローンを支え続ける前提が崩れていたのが、このケースの出発点です。

借入は把握していたが、生活は立て直せないままだった

石田さんは、何がどこにどれだけあるのかを全く分かっていない人ではありませんでした。管理費と住宅ローンを除いても、借入はざっと400万円ほどある見込みだと、自分なりに把握しています。

書類もクリップやファイルで整理し、予定は携帯のカレンダーに入れる。そうした几帳面さは残っていました。

ただ、その一方で見通しは立てても、実際には動けない。携帯は2台契約のまま、未払いで止まっている回線もあり、母親用だった契約もそのまま残っていました。整理すべきものが積み上がる一方で、生活全体を切り替えるところまでは進まなかったのです。

部屋の状態にも、長く抱え込んできた暮らし方が表れていた

室内はものが散乱している状態でした。ただ、生ごみの臭いが強いというようなことはなく、角部屋で少しずつ窓を開けていたこともあり、空気自体はこもり切ってはいませんでした。食事も、年間契約で届く米を炊き、インスタントの味噌汁で済ませる生活。派手に散財していたというより、生活全体が縮み、その中で片付けだけが取り残されていった印象です。

以前、保存していた米に虫が湧いたことがあり、壁紙にはその跡が無数に残っていました。部屋が荒れているというより、生活の手入れがもう追いついていなかったと見る方が近い案件です。

開札まで実質9営業日。
リスタートは買取前提で一気に整えた

初回訪問は2024年8月1日、契約は8月5日、決済は8月15日。開札は8月20日で、お盆期間も挟んでいたため、実質9営業日ほどしかありませんでした。

取材おこしでも、この案件は時間があまりに短く、横浜信用保証も当初は受け付けてくれないほどだったと語られています。通常の流れでは間に合わないため、必要書類や段取りを先回りして揃え、決済日までに全額返済できる形を前提に押し込んでいった案件でした。

単に買い取ったのではなく、時間のない中で債権者側が動ける材料を先に整えたことが、今回の解決の大きなポイントです。

住み続けるのではなく、切り替えるための猶予を残した

このケースでは、今の家にそのまま住み続ける方向ではなく、買取によっていったん状況を止め、そこから生活を切り替える形が取られました。

ただし、すぐに空にして退去という条件ではありません。残置物はそのままでよく、さらに3か月の引き渡し猶予も設定されています。

片付けきれていない家を前に、すぐ動けと言われても現実には難しい。だからこそ、競売を止めることと、その後に動き出せる時間を確保することがセットで必要だったのです。

「分かっているのに動けない」人ほど、期限が来ると一気に苦しくなる

石田さんは、何も分かっていない人ではありませんでした。借入も、売却しても満額では返しきれないことも、薄々は理解していたはずです。

それでも、収入が落ち、病気を挟み、部屋も荒れてくると、整理の優先順位を自分一人でつけるのは難しくなります。

こうしたケースでは、問題の大きさよりも動き出せないまま期限が来ること自体が危険です。今回は、そこをギリギリで止めた事例といえます。

減収や病気が続くと、分かっていても生活は立て直せなくなります

このケースは、無計画に何もかも放置していたというより、収入が下がったあとに病気と失職が重なり、立て直すタイミングを失っていった印象が強い案件でした。

借入の状況はある程度把握されていましたし、書類も整理されていました。ただ、それでも住まいの状態や生活全体を見ると、一人で切り替える力はもう残っていなかったと思います。

こういう時に厳しいのは、問題の大きさよりも「期限の方が先に来ること」です。今回は開札までほとんど時間がありませんでしたが、必要書類と段取りを急ぎで揃えることで、何とか間に合わせることができました。

片付いていない家や止まった生活を前にすると、本人はますます動けなくなります。だからこそ、競売を止めることと、その後に動ける余白を残すことの両方が必要になります。

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