競売の予納金は今すぐ払わなくていい?そもそも誰が負担する?
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この記事でわかること
- 予納金とは、競売手続きを進めるために銀行などの債権者が裁判所へ前払いする費用です。
- 債権者が支払うため、所有者が今すぐ裁判所へ現金で振り込む必要はありません。
- 予納金は、執行官による現地調査や不動産鑑定士の評価など、競売を運営する費用に充てられます。
- かかった費用は家の売却代金から最優先で差し引かれるため、結果的に残る借金(残債)が増えてしまいます。
- 予納金を無駄に消費して借金を増やす前に、早めに任意売却へ切り替えることが身を守る有効な手段です。
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住宅ローンの返済が遅れ、競売の危機が迫ってくると予納金という見慣れない言葉を目にする機会が増えます。ただでさえ毎月の支払いに追われて金銭的な余裕がない中、裁判所から高額なお金を請求されるのではないかと、夜も眠れないほどの不安を抱える方は少なくありません。
結論から言えば、今すぐあなたが財布から予納金を支払う必要はありません。しかし、この予納金は競売の仕組み上、最終的にあなたの財産に大きなダメージを与えることに変わりありません。一体だれが支払い、どのようにしてあなたの借金を増やすのか、知っておくべき知識を整理していきます。
NHKニュース7/クローズアップ現代(NHK)/報道ステーション(テレビ朝日系)
競売の予納金とは?
予納金は競売手続きを進めるために必要な前払い費用
競売の予納金とは、金融機関などの債権者が裁判所に不動産競売を申し立てる際、あらかじめ納めなければならない手続き費用のことです。競売を成立させるには、裁判所の執行官による現地調査や不動産鑑定士による評価、情報公開(公告)など、専門家を動かすためのさまざまなコストがかかります。
申立ての段階で、これらの実行に必要な費用を裁判所へ預けておく仕組みになっており、原則としてこの予納金が納付されなければ競売手続きは開始されません。
予納金の金額は請求債権額によって異なる
予納金の金額は一律ではなく、借金の額(請求債権額)などに応じて段階的に高くなります。東京地方裁判所を例にすると、請求債権額が2,000万円未満の場合は80万円、2,000万円以上5,000万円未満では100万円、5,000万円以上1億円未満では150万円、1億円以上では200万円が目安として設定されています。
物件の権利関係が複雑なケースや複数の不動産をまとめて対象とするケースでは、さらに高額な予納金が求められることも珍しくありません。
予納金は現地調査や公告などの費用に消えていく
裁判所に納められた予納金は、執行官が強制的に行う現況調査の出張費用や不動産の適正価格を算定するための鑑定料、競売物件の情報をインターネット等で広く公開するための公告費用などに充てられます。つまり、競売というシステムを動かすための実費として次々と消費されていくのです。手続きが難航した場合には予納金だけでは足りず、債権者へ追加納付が求められることもあります。
予納金以外にもかかる競売の費用
申立手数料
申立手数料とは、競売を申し立てる際に必要となる収入印紙代を指します。担保権や請求債権1個につき4,000円が必要であり、対象となる担保権が複数ある場合は、その数に応じて加算されていきます。
郵便切手代
裁判所が債権者や債務者、関係各所へ公的な書類を送付するための郵便費用です。金額や準備する切手の種類は管轄する裁判所によって異なり、所定の組み合わせで提出することが義務付けられています。
登録免許税
登録免許税とは、競売の対象となる不動産に差押登記を行う際にかかる税金のことです。原則として請求債権額の1,000分の4で計算されるため、たとえば借金の額が3,000万円であれば、登録免許税として12万円がかかる計算になります。
予納金は誰が払う?最終的な負担者は?
前述の通り、予納金は住宅ローンを滞納している所有者がその場で裁判所へ支払うものではありません。しかし、だからといって「自分には関係ない」と安心するのは危険です。
今すぐ予納金を支払うのは債権者
数十万円から数百万円にも及ぶ予納金を裁判所へ納めるのは、競売を申し立てた銀行や保証会社といった債権者です。そのため、裁判所から家の所有者へ向けて直接「予納金を支払ってください」と請求書が届くことはありません。
予納金は、債権者が競売という強制的な貸金回収手続きを進めるために、一時的に裁判所へ立て替えている費用と捉えると理解しやすくなります。
使わずに余った予納金は債権者へ返還される
納められた予納金のすべてが必ず使い切られるわけではありません。もし競売を取り下げたり、手続きが完了した時点で予納金に余りが出た場合、その残額は裁判所から予納した債権者へと返還されます。家の所有者(債務者)に返金されるわけではなく、あくまで裁判所と債権者の間だけで精算が行われます。
競売にかかった費用は「あなたの家の売却代金」から差し引かれる
競売によって物件が落札されると、その売却代金は債権者への返済に充てられます。しかし、ここで注意しなければならないのは、債権者が立て替えていた予納金などの高額な手続き費用が、借金の返済よりも優先的に売却代金から差し引かれるという点です。
通常の不動産売却であれば、家が売れた金額をそのまま住宅ローンの返済に回せるはずです。ところが競売の場合、数十万円にのぼる裁判費用などが真っ先に引かれてしまうため、実際にローンの返済へ充当される金額は大幅に目減りします。その結果、想定していたよりも借金が減らず、強制的に家を奪われたうえに、売却後に背負う残債がさらに上がってしまうというメカニズムが隠れています。
予納金が納付されると、競売はどう進むのか?
裁判所の執行官による強制的な室内立ち入り
予納金が納付されて競売開始が決定すると、執行官や不動産鑑定士が自宅を訪れる現況調査が行われます。これは法律に基づいた強制的な手続きであり、住人が居留守を使ったり立ち入りを拒んだりした場合でも、鍵開け業者を伴って強制的に解錠し、室内へ入ることが認められています。住人の意思だけでこの調査を拒否することは不可能です。
我が家の写真やプライバシーが全国にさらされる
現況調査で撮影された室内の写真や物件の所在地、さらには税金の滞納状況などの情報は、競売物件サイト(BIT)を通じてインターネット上で誰でも見られる状態に公開されます。散らかった部屋の様子など、生活空間のありのままが第三者の目に触れることになるため、精神的な苦痛は計り知れません。また、公開された情報を見た不動産業者から、直接訪問されたりチラシを投函されたりする事態も発生します。
落札後は一切の交渉権がないまま強制退去へ
競売が成立して見知らぬ落札者(買受人)へ所有権が移った後は、そこに住み続ける権利を完全に失います。落札者との話し合いで退去時期を少し待ってもらえるケースもゼロではありませんが、交渉に応じる義務は相手にはありません。もし退去に応じずに居座った場合は引渡命令が出され、強制執行によって荷物を外へ運び出されるという厳しい結末を迎えます。
無駄な費用で借金を増やさないために今できること
競売は、市場価格より大幅に安く買い叩かれてしまう上に、予納金という余計な手続き費用まで所有者の負担としてのしかかる、非常に不利なシステムです。しかし、競売の進行状況によっては、今からでも被害を最小限に食い止める対策が残されています。
裁判所からの書類を見て現状を把握する
まずは裁判所から届いている書類に目を通し、競売手続きがどの段階にあるのかを正確に把握することが出発点です。執行官による現況調査の前なのか、すでに入札期間が決まってしまっているのかによって、残されたタイムリミットは大きく変わります。恐怖から書類を放置せず、現実と向き合うことが解決への第一歩となります。
競売をストップし「任意売却」へ切り替える
無駄な費用で借金を増やされる前に選ぶべき現実的な選択肢が、債権者の同意を得て一般の不動産市場で自宅を売却する任意売却※です。
任意売却であれば、競売よりも市場価格に近い適正な金額で売却できる可能性が高く、その分だけ売却後に残る借金を大きく減らすことができます。さらに、売却代金の中から数十万円程度の引っ越し費用を確保できるよう債権者と交渉できる余地がある点も大きなメリットです。競売を取り下げることができれば、プライバシー情報がインターネットにさらされる心配もありません。
まとめ
予納金とは、裁判所に競売手続きを進めてもらうために、銀行などの債権者があらかじめ立て替えておく費用のことです。所有者が今すぐ現金を支払う必要はありませんが、使われた予納金は家の売却代金から最優先で差し引かれます。その結果、本来なら借金の返済に回るはずだったお金が減り、最終的にあなたが背負う残債が数十万円単位で増えてしまうのが競売の仕組みです。
これ以上、無駄な手続き費用を消費されて借金の負担を増やさないためにも、早い段階で専門家に相談し、任意売却で競売をストップさせる方法を検討することが大切です。
※2026年4月1日時点
競売回避なら
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裁判所からの通知が届くと、「もう終わりだ」とパニックに陥ってしまう方は少なくありません。しかし競売は、予納金を消費しながら数ヶ月をかけて進んでいく手続きです。入札が本格的に始まってしまう前であれば、より有利な条件で家を手放し、生活を立て直すチャンスは残されています。
放置して競売のプロセスが進めば進むほど、裏では予納金をはじめとする裁判費用や遅延損害金が、あなたの借金として確実に膨らんでいきます。嵐が過ぎ去るのを待つように問題を先送りするのではなく、一刻も早く専門家の知識を借りて、被害の少ない解決策に向けた行動を起こすことが、何よりも重要です。