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マンションの管理費・積立金滞納で競売になる?

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ページ更新日:2026.07.11
もくじ
ここだけ読んでも大丈夫!
この記事でわかること
  • 住宅ローンを完全に払い終えていても、管理費の滞納だけでマンションを強制競売にかけられる恐れがあります。
  • 毎月の修繕積立金の未払いも、管理組合から裁判を起こされる致命的な原因になります。
  • 滞納を放置し続けると、「督促→裁判(支払督促)→財産の差押え→競売」へと厳格に手続きが進みます。
  • 早い段階であれば、管理組合への分割返済の相談や、有利な「任意売却」での解決が可能です。
  • 先延ばしにするほど、高額な遅延損害金や裁判費用が上乗せされ、自力での解決が困難になります。

管理費・積立金滞納で競売になってしまう理由

マンション所有者が背負う「支払いの義務」

分譲マンションを購入すると、一戸建てとは異なり、住宅ローン以外に「管理費」や「修繕積立金」を毎月支払う義務が法律で定められます。これらはエレベーターの保守点検や将来の大規模修繕など、建物全体の資産価値を維持するために絶対に必要な財源であり、区分所有者全員で分担し合うルールだからです。

そのため、「ローンを完済したから一安心」とは決して言えず、数ヶ月にわたって管理費を滞納することは、銀行のローンを止められているのと全く同じリスクを背負うことになります。

長引く滞納は「裁判」や「強制差押え」の引き金に

未払いの状態が半年から1年と長引いてしまうと、管理組合や管理会社からの督促は、手紙や電話から「法的な手続き」へと移行します。具体的には、裁判所を通じた支払督促や訴訟を起こされ、最終的にはあなたの預貯金や、マンションそのものを強制的に差し押さえる手続きへと発展します。

管理組合に認められた強力な法的手続き「競売請求」

マンション独自の非常に強力な法律(区分所有法第59条)により、あまりにも悪質な滞納者に対しては、管理組合の判断で「その人の部屋を強制的に競売にかけて追い出すこと」が認められています。他の住人の生活やマンションの維持を守るために、管理組合側としても、最終的には住人を強制退去させて未払い金を回収せざるを得ないという厳しい現実があります。

「住宅ローンがないから安心」
とは限りません

「ローンが終わっているから誰にも家を奪われる筋合いはない」と思い込んでいる方は非常に多いものです。

しかし、管理費や修繕積立金は、マンションに住み続ける限り一生ついて回るシビアな固定費用です。

「毎月たったの数万円だし、いつでも払えるから後回しでいいや」と放置してしまうことこそが、裁判所からある日突然、競売開始決定の通知が届く最悪の引き金になってしまいます。

管理費を滞納してから競売になるまでの流れ

管理組合から督促を受ける

管理費を滞納した場合、まずマンションの管理組合や管理会社から、電話や書面などで支払いに関する督促を受けます。この段階はまだ警告のレベルではあるものの、誠実に対応を行わない場合には次の段階に進むことになります。

内容証明郵便・支払督促が届く

督促を無視し続けると、内容証明郵便による支払い請求が届きます。内容証明郵便とは「いつ・誰に・どんな内容を送ったか」という点を証明できるものです。また、裁判所を通じて支払督促が送られてくることもあります。

裁判・強制執行へ進む

内容証明や支払督促にも対応しない場合には、代理の弁護士を通じて訴訟(裁判)が起こされます。裁判によって支払命令が確定してもそれに応じない場合には、強制執行の手続きへと移行します。

差押え・競売開始決定

裁判所が競売の開始を決定した場合、自宅には競売開始決定通知が届き、登記簿には「差押」と記載されます。その後、不動産鑑定士と執行官がマンションを訪問して、現況調査が行われますが、この調査を拒否することはできません。

競売によってマンションを失う

競売手続きが進むと物件情報が公開され、最も高い金額を提示した落札者にマンションの所有権が移転します。元々の所有者は所有権を失うために立ち退きをする必要がありますが、もし居座ったとしても強制執行により退去命令が下されることから、住み続けることはできなくなります。

管理費の滞納を「大したことない」と放置するリスク

雪だるま式に膨れ上がる「遅延損害金」と裁判費用

管理費の滞納には、非常に高い金利の「遅延損害金(ペナルティ)」が加算されるケースがほとんどです。さらに、管理組合が裁判にかかった弁護士費用や手続きの実費などもすべて滞納者に請求してくるため、「本来は数十万円だったはずの滞納が、気づけば100万円を超える巨額の請求に膨れ上がっていた」という事態に陥りかねません。

売却したくても買い手がつかなくなる

滞納額が大きくなってしまったマンションを売却しようとしても、通常の市場では買い手がつきません。なぜなら法律のルール上、マンションの管理費滞納は「次の購入者(新しい所有者)」にそのまま引き継がれてしまうため、そんなリスクのある物件をわざわざ買ってくれる人はいないからです。

引越し費用もないまま無理やり家を追われる

そのまま競売が成立して落札者が決まってしまうと、こちらの事情に関係なく、強制的に部屋を立ち退かなければなりません。引っ越し時期の相談に乗ってもらえる余地はなく、生活を立て直すための資金的な余裕もすべて失う結果になってしまいます。

管理組合とのトラブルが長期化する

管理費を滞納しており、その問題を「大したことない」と放置した場合には、管理組合とのトラブルが長期化する可能性があります。この点から管理費については滞納せず、もし督促を受けた場合には早めに対応することが大切です。

「あとで払えばいい」
では済まないケースも

管理費の未払いは、銀行から催促される住宅ローンに比べて、どこか甘く考えてしまいがちです。

しかし、管理組合を敵に回して裁判を起こされてしまうと、そこからの手続きの進み方は非常にスピーディーで無慈悲です。

「まとまったお金が入ったらまとめて払おう」と先延ばしにせず、警告の手紙が届いている初期の段階で、一刻も早く専門家や窓口へ相談を始めることが身を守る最大の防衛策です。

競売という最悪の結末を避けるための対処法

今すぐ誠実に管理組合へ相談し、分割返済を願い出る

まだ裁判を起こされる前の段階であれば、管理組合の理事会や管理会社に対して現在の苦しい家計の状況を正直に打ち明け、支払う意思があることを示しましょう。誠意を持って交渉すれば、「毎月の管理費+過去の滞納分を少しずつ上乗せして分割で返す」といった和解案に応じてもらえる可能性は十分にあります。

自力での維持が難しいなら「任意売却」で有利に手放す

今後の収入の見込みが立たず、これ以上管理費や積立金を払い続けることがどうしても難しいのであれば、競売で買い叩かれる前に「任意売却」に踏み切るのが賢明な判断です。一般の市場価格に近い高値で売却し、その売買代金の中からこれまでの滞納分を一括清算して、綺麗に人生を再出発させることができます。

家計のバランスを見直し、「本当に住み続けられるか」を直視する

目先の管理費の支払いだけでなく、固定資産税や毎月の生活費も含めて、一度家計全体の収支をプロと一緒に徹底的に洗い出してみましょう。「このマンションを維持することが本当に家族の幸せなのか」を一歩引いて客観的に考えることで、無理に執着して破綻する前に、より家賃の安い賃貸への住み替えなど安全な生活再建のビジョンが見えてきます。

競売になった場合、滞納した管理費はどうなる?

競売代金から回収されるケース

マンションが競売により落札された場合には、その落札代金から滞納された管理費が回収されることが理想的といえます。しかし、実際には住宅ローンの残債などに優先的に配当されますので、落札代金から管理費の回収が行えないケースが多いとされています。

新所有者が負担するケース

滞納している管理費については、競売の落札者が元の所有者の代わりに管理組合に対して全額支払うケースもあります。ただし、ここで立て替えた支払額については、元の所有者に対して求償権を行使できます。

元所有者に請求が残るケース

新たな所有者に滞納していた管理費の支払義務が引き継がれたとしても、元々の所有者の支払義務は残ります。元の所有者と新たな所有者も管理費の支払義務を負うため、管理組合はどちらに請求しても構わないとされています。もちろん二重の支払いを受けることはできませんが、管理組合の判断によりどちらにいくらを請求するかを決めて良いとされています。

求償権とは

新たな所有者が管理組合に対し、滞納された管理費を立て替えて支払いを行った場合、新たな所有者は元の所有者に対し「代わりに支払った分を返して欲しい」という点を請求する権利を持っています。これは「求償権」と呼ばれる権利です。

管理費滞納を解決する方法

管理組合へ分割払いを相談する

例えば、一時的に収入が減少したなどの理由であれば、まず管理組合に事情を説明することが先決です。今後の支払いの見通しと、返済計画について提示することにより、滞納している管理費の分割払いについて相談ができる可能性があります。

滞納額が少ないうちに支払う

管理費を滞納していると、その滞納期間が長くなるほど大きな金額になります。そのため、滞納している額が少ないうちに支払いを行うことが重要です。例えばボーナスの支給がある会社であれば、早い段階で滞納している全額を清算すると良いでしょう。

不動産売却を検討する

これから先も管理費を支払える見通しが立たない場合、早期のうちにマンションの売却を検討するのも選択肢のひとつとして挙げられます。通常の売却を行い、その売却代金により住宅ローンの残債や滞納している管理費を一括で生産できれば問題を解決できます。

任意売却で競売を回避する

物件の売却価格を住宅ローンの残高が上回っている「オーバーローン」の状態である場合には、通常の売却を行えません。このケースでは、債権者の合意を得た上で市場価格に近い価格での売却を行える任意売却を行うことが有効であると考えられます。原則として、任意売却を行った場合には管理費や修繕積立金の滞納について売却代金から充てることができるとされています。

任意売却が有効なケース

管理費と住宅ローンの両方を滞納している

管理費に加えて住宅ローンも滞納している場合にも、競売を申し立てられる可能性があります。競売を避けるためにも、できるだけ早く任意売却を検討し、ローンや滞納分の管理費を整理することが望ましいといえます。

競売開始決定通知が届いている

裁判所から競売開始決定通知が届いている場合だったとしても、まだ任意売却が間に合う可能性があります。競売(開札日の前日など)が始まる前であれば、債権者や管理組合と交渉した上で、任意売却を進められるケースがあるため、可能な限り早く任意売却に強い不動産会社などに相談することが必要になります。

オーバーローンで通常売却が難しい

住宅ローン残高がマンションの査定額を上回っている(オーバーローン)ケースでは、抵当権の抹消ができないため通常売却は行えません。任意売却の場合、債権者の合意を得て抵当権を外してもらうことで、市場価格に近い価格での売却を進められます。

管理組合との交渉も必要なケース

任意売却を行う場合には、債権者だけではなく滞納している管理費の回収を求める管理組合との調整も必要となります。この場合、さまざまな交渉が必要となるため、専門知識を持つ不動産会社が間に入ることによって、それぞれが納得できる解決方法を探ることができます

管理費滞納でやってはいけないこと

督促を無視する

管理組合からの督促を無視することは避けなければいけません。連絡をしないと、法的な措置に進んでいくことを止められないため、もし支払いが厳しい場合でもまずは連絡を取り、現状を正直に伝えた上で、対応について協議を行う姿勢を見せるのが大切です。

内容証明を放置する

上記と同様に、届いた内容証明を放置することもNG行為となります。内容証明を無視し続けた場合、管理組合は総会での決議の上、弁護士に依頼して競売の申し立てを行うといったように、状況がさらに悪化していきます。督促と同様に、内容証明を受け取った場合にも直ちに対応することが必要です。

管理組合へ何も連絡しない

滞納が続くと、どうしても管理組合への連絡をしにくいと感じてしまいます。その場合、管理組合では何の連絡もないことから状況の把握ができず、法的措置に進むしかなくなります。早い段階で連絡をして状況を説明するようにしてください。

競売開始決定まで放置する

問題を先送りしていると、結果的に裁判所からの競売開始決定通知が届くことになります。競売にかけられた場合、市場価格よりも大幅に安い価格で落札される可能性が高いといえます。そうならないように問題を放置せず、早い段階で対応するようにしてください。

管理費滞納で困ったときの相談先

管理組合

初期段階の滞納であれば、まずはマンションの管理組合に相談します。一時的に収入が減ったことによる滞納など、正当な理由がある場合には、事情を誠実に説明することで支払い猶予や分割払いの相談に応じてもらえる可能性も考えられます。

弁護士

すでに内容証明郵便や競売開始決定通知が届いている場合などには、法律の専門家である弁護士への相談が推奨されます。法的な視点から対処法に関するアドバイスを受けられる点に加えて、管理組合などとの交渉なども依頼することができます。

任意売却会社

マンションの売却を検討せざるを得ないものの、ローン残債がマンションの価格を上回っている場合などには、任意売却の経験が豊富な不動産会社への相談が有効であるといえます。手遅れになって競売にかけられてしまう前に、早めの段階で相談することが重要です。

競売回避では、
早期対応が重要です

管理費の滞納は、仕事の忙しさや体調不良などをきっかけに、知らず知らずのうちに数年単位で長期化してしまうケースが多々あります。

裁判所から硬い文章の「競売通知」が届いてから慌てて管理組合に「今から全額払います」と駆け込んでも、すでに手続きの手間や不信感がピークに達しており、取り下げを拒否されてしまうことが珍しくありません。

まだ傷口が浅い督促状の段階から専門家を味方につけて状況を整理し始めることこそが、手元により多くの選択肢と新生活への資金を残すための鉄則です。

まとめ

分譲マンションにおける管理費や修繕積立金は、たとえ住宅ローンを完済していても免れることのできない、法律上の重い支払い義務です。これを「少額だから」「あとで払えばいいから」と甘く見て放置し続けると、管理組合から裁判を起こされ、最終的には区分所有法に基づく容赦のない強制競売によって、大切な我が家を失うという最悪の事態を招いてしまいます。

しかし、まだ裁判所の手続きが進みきってしまう前の段階であれば、誠実な分割払いの交渉や、傷口を最小限に抑える「任意売却」への切り替えによって、競売を確実に回避する道はしっかりと残されています。時間が経つほど遅延損害金や法的な縛りは厳しくなっていくため、手遅れになって選択肢がゼロになってしまう前に、まずは実績のある競売回避のプロへ1日でも早く相談し、人生の立て直しを図りましょう。

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