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自己破産で持ち家はどうなる?

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ページ更新日:2026.06.22
この記事でわかること
  • 自己破産しても、家を出るまでには数ヶ月から1年程度の期間があります。
  • リースバックや親族間売買を利用して住み続けられる可能性もあります。
  • マイホームを残したい場合は「個人再生」という選択肢もあります。
  • 配偶者や子ども名義の預金・車・財産は原則として処分されません。
  • 子どもの就職・結婚・進学に自己破産は直接影響しません。
  • 手続きを開始して返済が止まった時点から生活再建の準備をすることが大切です。

原則として自己破産をすると持ち家は処分の対象になる

手続き上の大原則と「破産管財人」の役割

自己破産では、裁判所から免責許可を受けることで借金の返済義務が免除される一方、債務者が所有する一定以上の価値を持つ財産は処分の対象となるのが基本原則です。持ち家もその代表例であり、原則として手元に残すことはできません。破産手続きが開始されると、裁判所によって選任された「破産管財人」が不動産を含む財産の管理・処分を行います。破産管財人は持ち家を売却して現金化(換価)し、その代金を債権者へ公平に分配(配当)することで、債権者間の公平を確保する役割を担います。

住宅ローンの返済状況による違い(残債あり vs 完済)

持ち家が自己破産でどのように扱われるかは、住宅ローンの返済状況によっても異なります。住宅ローンをすでに完済している場合は、不動産に担保権が付いていないため、その市場価値がそのまま破産財団に組み込まれ、売却によって得られた代金が債権者への配当に充てられます。一方、住宅ローンが残っている場合は、金融機関が設定している「抵当権」に基づき、債務不履行を理由として担保権を実行します。その結果、持ち家は原則として競売などによる強制処分の対象となり、所有し続けることは困難です。

「自由財産」の定義と持ち家が対象外になる理由

自己破産をしても、すべての財産を失うわけではありません。破産者の生活再建を支援するため、99万円以下の現金や生活に欠かせない衣服・寝具、家具家電などは「自由財産」として手元に残すことが認められています。しかし、持ち家のような不動産は一般的に高額な資産と評価されるため、自由財産には該当しません。そのため、住宅ローンの有無にかかわらず、原則として換価・処分の対象となります。実務上も不動産が自由財産として認められるケースは極めて限定的であり、自己破産後も持ち家を維持することは非常に難しいのが現実です。

自己破産後、持ち家にはいつまで住める?退去時期と猶予期間

裁判所から開始決定が出てから処分完了までのスケジュール

自己破産を弁護士に依頼すると、債権者に対して「受任通知」が発送され、通常はその時点で住宅ローンの返済も停止します。ただし、返済が止まったからといって直ちに退去を求められるわけではありません。その後、裁判所による破産手続開始決定、不動産の査定、売却方法の検討、買い手探しなどの手続きが順次進められます。これらには一定の期間を要するため、実際に不動産の処分が完了するまでは、引き続き持ち家に居住できるケースが一般的です。

【住宅ローンがない場合】破産管財人による任意売却と引き渡し

住宅ローンを完済している持ち家の場合、破産手続開始後は破産管財人が不動産の売却を進めます。一般的には市場で購入希望者を募る「任意売却」の形がとられ、物件の査定、買い手探し、売買契約の締結、所有権移転登記といった手続きを経て処分されます。これらの手続きには通常数ヶ月程度かかるため、その間は引き続き自宅に住めることが多く、実質的な居住猶予期間となります。

【住宅ローンが残っている場合】抵当権実行による強制競売の期間

住宅ローンの返済が滞ると、金融機関は抵当権に基づいて競売を申し立てます。競売開始決定後は、裁判所の執行官が物件を訪問し、室内外の状況確認や写真撮影などの現況調査を実施します。その後、物件情報が公開され、入札期間を経て落札者が決定されます。ローン滞納から競売申立て、現況調査、入札・開札までには複数の手続きが必要となるため、実際に落札されるまでには一般的に数ヶ月から1年程度かかることがあります。

明日すぐ出ていく必要はない(半年〜1年の準備期間)

自己破産をしたからといって、翌日から自宅を退去しなければならないわけではありません。「破産したらすぐに家を失い、路頭に迷うのではないか」と不安を抱く方もいますが、実際には不動産の処分や競売には複数の法的手続きが必要です。そのため、破産手続開始後も一定期間は居住を続けられるのが一般的で、状況によっては半年から1年程度の準備期間が確保されます。この間に新しい住まい探しや引っ越しの計画を進めることが可能です。

自己破産しても今の家に住み続けられる?
自宅を残すための2つの解決策

対策1:親族間売買(親・子供・兄弟など)による買い取り

持ち家を残す方法の一つとして、親や子ども、兄弟姉妹などの親族に自宅を買い取ってもらう「親族間売買」があります。親族が所有者となった後は、その親族と賃貸借契約を結び、家賃を支払いながら引き続き同じ家に住み続けることが可能です。ただし、親族が購入資金を用意しなければならず、自己資金が不足する場合は親族間売買に対応した住宅ローンの利用を検討することになります。しかし、親族間売買は通常の不動産売買よりも金融機関の審査が厳しい傾向があり、安定収入や返済能力が求められるため、資金調達のハードルは決して低くありません。

対策2:不動産会社のリースバックを活用した賃貸化

リースバックは、自宅を不動産会社や投資家に売却すると同時に賃貸借契約を結び、そのまま借り主として住み続ける方法です。所有権は買主へ移転しますが、引っ越しをせずに現在の住環境を維持できるため、自己破産後も住み慣れた家で生活を続けたい場合の選択肢として活用されています。ただし、リースバックで設定される家賃は、物件の市場価格や投資家が期待する利回り、従前のローン返済額などを基準に算出されることが多く、近隣の賃貸相場より高額になるケースも少なくありません。契約前には、長期的に支払い続けられる家賃水準かどうかを十分に確認することが重要です。

【警告】自己破産前の安易な名義変更や売却は「財産隠し」になる

持ち家を失いたくないからといって、自己破産の直前に配偶者や子どもへ無償で名義変更したり、市場価格とかけ離れた不当に安い金額で売却したりする行為は非常に危険です。このような行為は、債権者への配当を免れるための財産隠しと判断される可能性があります。破産手続では、破産管財人が「否認権」を行使して取引を取り消すことがあるほか、悪質なケースでは破産法上の「詐欺破産罪」に問われるおそれもあります。さらに、こうした行為は免責不許可事由に該当する可能性があり、最終的に借金の免除を受けられなくなるという重大なリスクを招くため、絶対に避けるべきです。

マイホームを絶対に手放したくない場合の最強の選択肢「個人再生」

個人再生の「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」とは

マイホームを手放したくない場合は、自己破産ではなく「個人再生」を検討する価値があります。個人再生は、裁判所を通じて住宅ローン以外の借金を大幅に減額し、原則3〜5年で分割返済していく手続きです。その中でも重要なのが「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」で、一定の条件を満たせば住宅ローンはこれまでどおり返済を続けながら、自宅を維持できる可能性があります。子どもの転校を避けたい、住み慣れた地域で生活を続けたいといった希望を実現するために設けられた、個人再生特有の制度です。

住宅ローンを払い続け、その他の借金を大幅に減額する仕組み

住宅ローン特則を利用した個人再生では、住宅ローンについてはこれまでどおり返済を継続し、必要に応じて返済期間の延長など金融機関と返済条件の見直しを行います。一方で、消費者金融の借入れやクレジットカードの利用残高など、住宅ローン以外の債務は法律に基づいて大幅に圧縮され、ケースによっては最大で5分の1程度まで減額されることがあります。その後、減額された借金を再生計画に従って原則3〜5年かけて分割返済していくことで、住まいを維持しながら生活再建を目指すことが可能になります。

自己破産と個人再生の決定的な違いと判断基準

自己破産と個人再生の最大の違いは、「借金の免除」と「マイホームの維持」のどちらを優先するかにあります。自己破産は、免責が認められれば原則としてすべての借金の支払い義務がなくなる一方で、持ち家は処分の対象となり、手放さなければなりません。これに対して個人再生は、住宅ローン特則を利用することで家を残せる可能性がありますが、住宅ローンの返済に加え、減額された借金も原則3〜5年かけて返済する必要があります。そのため、継続的かつ安定した収入があることが重要な条件となります。借金を完全に整理したいのか、住まいを守りたいのかを基準に選択することが大切です。

自己破産が家族に及ぼす影響と、よくある誤解

配偶者や子供名義の預金・車・財産は差し押さえられるか

自己破産は、あくまでも破産者本人の財産を対象として清算する手続きです。そのため、配偶者や子ども名義の預貯金、給与収入、自動車、不動産などの財産は、原則として差し押さえや処分の対象にはなりません。家族が自己破産者の借金を負担していない限り、その財産が没収されることもありません。ただし、実質的には本人の財産であるにもかかわらず、家族名義の口座や資産に移している場合は注意が必要です。こうしたケースは「名義借り」や財産隠しと判断される可能性があり、破産管財人による調査や処分の対象となることがあります。

家族が住宅ローンの「連帯保証人」になっている場合の影響

住宅ローンに配偶者や親などが連帯保証人として加入している場合、本人が自己破産をすると注意が必要です。自己破産によって本人の返済義務が免除されても、銀行は連帯保証人に対して残っている住宅ローンの返済を請求できます。場合によっては、残債の一括返済を求められることもあり、家族に大きな負担が及ぶ可能性があります。連帯保証人に十分な返済能力がない場合は、任意整理や個人再生、自己破産などの債務整理をあわせて検討しなければならないケースもあります。早い段階で弁護士に相談し、家族全体を見据えた解決策を検討することが重要です。

子供の就職・結婚・学区(転校)への直接的な影響

自己破産をしても、その事実が戸籍や住民票に記載されることはありません。そのため、子どもの進学や就職、結婚といった人生の重要な場面で、自己破産を理由とした法的な制限や不利益が生じることは一切ありません。また、学校や就職先が自己破産の事実を公的な記録から知ることもできません。なお、持ち家を手放すことによる転居で転校が必要になる場合はありますが、これは住居の変更に伴う影響であり、自己破産そのものによる不利益ではありません。

ブラックリスト(信用情報機関)への掲載期間と生活制限

自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が登録され、いわゆる「ブラックリスト」の状態になります。登録期間は機関によって異なりますが、一般的には約5〜10年程度とされています。この期間中は、本人名義で新たにクレジットカードを作成したり、自動車ローンや住宅ローンなどの借り入れを行ったりすることが難しくなります。また、家族がローンや奨学金を利用する際に保証人になることも制限されるため、一定の不便は生じます。ただし、日常生活そのものが大きく制限されるわけではありません。

自己破産後の生活再建に向けた新たな住まいの探し方

自己破産しても賃貸マンション・アパートの契約は可能か

自己破産をしたとしても、賃貸マンションやアパートの契約が法律上禁止されることはありません。持ち家を手放した後でも新たな住居を借りて生活を再スタートすることは十分可能です。自己破産によって居住権が制限されるわけではなく、一般の賃貸物件への入居申込みも行えます。ただし、入居審査の内容によっては注意すべき点もあるため、物件選びや保証会社の種類を確認しながら進めることが大切です。

家賃債務保証会社の審査落ちを回避する物件の選定基準

自己破産後に賃貸物件を探す際は、家賃債務保証会社の種類を確認することが重要です。信販系の保証会社はクレジットカード会社や信販会社と連携しており、信用情報を参照するため、自己破産後は審査に通りにくくなる可能性があります。一方で、信用情報を確認しない独立系の保証会社を利用している物件であれば契約できる可能性があります。また、保証会社を利用せず親族の連帯保証人のみで契約できる物件や、公営住宅などの公的支援制度を活用できる住まいも有力な選択肢となります。

引っ越し費用や新生活の資金を確保するための準備

自己破産を弁護士に依頼すると、受任通知の発送後は債権者への返済がいったん停止されるのが一般的です。この期間は、生活再建に向けた準備期間として有効活用できます。特に、次の住まいを借りる際に必要となる敷金・礼金、前家賃、火災保険料、引っ越し業者への支払いなどを見据え、計画的に資金を確保しておくことが重要です。早めに予算を立てて貯蓄を進めることで、退去や転居の際の負担を軽減し、新生活をスムーズにスタートしやすくなります。

自己破産と持ち家に関するよくある質問(FAQ)

Q. 価値がほとんどない古い家や過疎地の土地でも必ず処分されますか?

A. 必ずしも処分されるとは限りません。市場価値が極めて低く、目安として20万円以下であったり、買い手が見つからなかったりする不動産については、破産管財人が換価を断念し、「財産の放棄」を行うことがあります。その場合、結果的に不動産が手元に残るケースもあります。

Q. 夫婦の共有名義になっている家の場合、自分の持分だけどうなりますか?

A. 自己破産で処分の対象となるのは、原則として破産者本人が所有する持分のみです。ただし、第三者が共有者になると不都合が多いため、実務上は配偶者などの共有者が本人の持分を買い取ったり、共有者全員の合意のもとで家全体を任意売却したりする方法が検討されることが一般的です。

Q. 税金の滞納による差し押さえが先に来ている場合、自己破産で止められますか?

A. 必ずしも止められるわけではありません。固定資産税などの税金は非免責債権に該当し、滞納による差し押さえや公売手続きは、自己破産の開始によって当然に中止されない場合があります。放置せずに早急に自治体の担当部署や弁護士へ相談し、分納や対応策について協議することが重要です。

まとめ|持ち家と借金のお悩みは手遅れになる前に弁護士へ無料相談を

持ち家と借金の問題は、対応が遅れるほど選択肢が狭まります。滞納を放置して競売手続きが進んでしまうと、リースバックや親族間売買など、自宅を残すための交渉や準備を行う時間そのものが失われるおそれがあります。だからこそ、問題が深刻化する前に行動することが重要です。自己破産だけでなく個人再生や任意売却なども含めて検討できる、破産管財人業務や債務整理の実績が豊富な法律事務所へ早めに相談しましょう。まずは無料相談を活用し、ご自身とご家族の生活を守るための、より適切な解決策を見つけることが大切です。

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