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競売と任意売却の違い

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ページ更新日:2026.08.28
もくじ
この記事でわかること
  • 競売と任意売却は、進める主体も結果もまったく違います。
  • 「競売」は裁判所が強制的に安値で売る手続き、「任意売却」は債権者の同意のもと適正価格で売る手続きです。
  • 任意売却の方が残債を減らせる可能性が高いものの、実行には期限や条件があります。
  • 任意売却には債権者の同意が不可欠であり、専門家による高度な交渉が必要です。
  • どちらが今の状況に適しているか、手遅れになる前に専門家へ相談しましょう。

競売と任意売却の違い7つを比較

競売 任意売却
売却の金額 市場価格の6〜7割程度になることが多い 市場に近い適正な価格を目指せる
諸費用 予納金などの多額な裁判費用が
売却代金から最優先で差し引かれる
仲介手数料などは
売却代金から精算されるため持ち出し不要
残債 多額の借金が残り、
一括返済を迫られるケースが多い
借金を大幅に圧縮でき、
無理のない分割返済の交渉が可能
プライバシー 物件情報がネットや新聞に公開され、
近隣や職場に知られる危険性が高い
一般の不動産売買と同じ形式なため、
経済的な事情は周囲に知られにくい
住み続けられるか 落札後、原則として退去しなければならない 「リースバック」を使えば
住み続けられる可能性がある
退去日 裁判所や落札者が一方的に決定し、
従わなければ強制退去となる
買主との話し合いで
引渡し時期を柔軟に調整できる
引越し費用 すべて自己負担(支払われない) 売却代金の中から数十万円を
控除してもらえるよう交渉が可能
手続きの主導権 裁判所が強制的に進める 所有者の意思と専門家のサポートで進める

売却価格の違い

競売では、購入者が室内を内覧できないリスクなどが考慮されるため、市場相場の6〜7割程度の価格で安く買い叩かれることがほとんどです。一方、任意売却は通常の不動産売却と同じように市場へ売り出すため、相場に近い適正価格での売却を目指すことが可能です。

家が高く売れれば、その分だけ住宅ローンの返済に充てられる金額が増加するため、売却後に背負う借金(残債)を大幅に減らすことができます。

売却費用の違い

競売では、裁判所に手続きを進めてもらうための予納金として数十万円から数百万円がかかります。この費用は債権者が立て替えますが、家の売却代金から最優先で差し引かれるため、結果的にあなたの借金として上乗せされる仕組みになっています。

対する任意売却でかかる主な費用は不動産会社への仲介手数料のみであり、これも家の売却代金から精算されることが一般的です。そのため、手持ちの現金がゼロでも売却手続きを進めることができます。

残った借金の返済方法

競売で家を失った後、売却代金でまかないきれなかった住宅ローンについて、債権者から一括での返済を厳しく求められることがあります。

一方、任意売却では事前に専門家が間に入るため、売却後に残った借金についても、現在の収入や生活状況に応じた現実的な分割返済(月々5,000円〜1万円程度など)への切り替えを交渉できるケースが大半です。

プライバシーと周囲へのバレやすさ

競売になると、裁判所の専用サイト(BIT)などに物件の外観写真や所在地、滞納の事実などが掲載されるため、近隣住民や職場の同僚に事情を知られるリスクが非常に高くなります。

任意売却は通常の不動産ポータルサイトなどに掲載して買主を探すため、単なる住み替えによる売却と見分けがつかず、住宅ローンを滞納しているというプライバシー情報を守ることができます。

退去時期と引越しスケジュール

競売では、落札者が決まった後の明け渡し時期を自分の都合で決めることは一切できず、指定された期日までに退去しなければ強制執行によって荷物を運び出されてしまいます。

任意売却では、買主との間で売買契約を結ぶ際に、子どもの学校の都合や次の住まいの入居日に合わせて引き渡し日をある程度調整できる余地があります。

引っ越し費用・持ち出し費用の違い

競売では、家を失うことに対する補償は一切なく、引っ越しにかかる費用は全額自分で用意しなければなりません。

任意売却では、債権者との粘り強い交渉によって、物件の売却代金の中から引っ越し費用として数十万円程度を確保できる場合があります。資金ゼロでの退去を避けられる点は、任意売却の極めて大きなメリットです。

手続きの主体と主導権

競売は裁判所が主体となり、法律に基づいて強制的に手続きが進行します。そのため、所有者が「もう少し待ってほしい」「この値段で売りたい」と訴えても反映されることはありません。

任意売却は、所有者自身が売主となり、競売回避の専門家のサポートを受けながら自身の意思で売却を進めます。主導権を自分たちに取り戻せるのが最大の利点です。

信用情報への影響期間と共通点

信用情報(いわゆるブラックリスト)への登録は、競売や任意売却という手段そのものが原因ではなく、住宅ローンを長期間滞納した事実が原因となります。そのため、どちらの道を選んだとしても、信用情報機関に事故情報が登録されることは避けられず、向こう5〜7年程度は新たなローンやクレジットカードの作成が難しくなる点は共通しています。

なぜ任意売却の方が有利なのか?競売を回避すべき5つの理由

理由1:市場価格に近い高値で売れるため、ローンの残債を大幅に減らせる

競売の圧倒的な安値に対し、任意売却なら市場価格に近い水準での売却が可能です。数千万円単位の取引において、この数割の価格差は数百万円の違いを生み出します。売却価格が高くなるほど残債が減り、その後の生活再建が格段に楽になります。

理由2:近所や職場に住宅ローン滞納の事実を知られずに売却できる

競売による情報公開のダメージは計り知れません。任意売却であれば一般的な不動産売買の形をとるため、経済的な困窮を周囲に知られることなく、静かに生活環境をリセットすることができます。

理由3:引越し時期の希望を聞いてもらいやすく、新居探しに余裕ができる

強制退去の恐怖と隣り合わせの競売とは違い、任意売却では買主との合意によって退去までの時間的猶予を確保できます。仕事や子どもの転校などの事情を考慮しつつ、落ち着いて新居を探すためのスケジュールを組むことが可能です。

理由4:持ち出しの現金ゼロで手続きを進められる

任意売却では、不動産会社への仲介手数料や抵当権抹消の司法書士費用など、売却にかかる諸費用を売却代金の中から精算することが一般的です。そのため、現在手元にまとまった現金がない状態でも、費用を気にせず売却手続きをスタートさせることができます。

理由5:「リースバック」を活用すれば、売却後も今の自宅に住み続けられる

任意売却を行う際、条件が整えばリースバックという手法を組み合わせることが可能です。これは、投資家などに自宅を売却してローンを清算したうえで、その買主と賃貸借契約を結び、毎月家賃を支払うことで同じ家に住み続ける方法です。引っ越しを避け、生活環境を維持したまま再スタートを切る有効な選択肢となります。

知っておくべき任意売却のデメリットとよくある誤解

任意売却を選べばローンの残債が完全に帳消しになるわけではない

任意売却は残債を極限まで減らすための有効な手段ですが、家を売った代金でローンを全額完済できなければ、残った借金は当然支払い続ける義務があります。「任意売却をすれば借金がすべてチャラになる」という誤解には注意が必要です。

ただし、残債については債権者と協議し、生活に支障のない範囲での少額分割返済を取り決めるのが一般的であるため、過度な心配は不要です。

債権者や連帯保証人の同意が得られないと任意売却は成立しない

任意売却は、住宅ローンの抵当権を持つすべての債権者の同意がなければ進めることができません。とくに、売却額がローン残高を下回るオーバーローンの場合、債権者が売却価格に納得しなければ同意は得られません。また、連帯保証人がいる場合にはその協力も必須となるため、個人で交渉するのは極めて困難であり、専門家の介入が欠かせません。

販売活動をしても買主が見つからなければ最終的に競売になってしまう

任意売却は一般市場で買主を探すため、立地や条件によっては買い手が現れないリスクも存在します。債権者が指定したタイムリミット(開札期日)までに買主を見つけて売買契約を結べなければ、任意売却は不成立となり、そのまま競売による強制売却へ移行してしまいます。そのため、販売力のある専門業者に依頼することが明暗を分けます。

競売から任意売却に切り替えられる期限

切り替え可能な法的な最終期限は「裁判所の開札期日の前日」まで

すでに競売の手続きが始まっていても、任意売却へ切り替えることは可能です。その実質的な最終タイムリミットは、開札期日(落札者が決まる日)の前日、となります。この日までに買主との代金決済を終え、債権者に競売を取り下げてもらわなければなりません。期限ぎりぎりに動き出しても間に合わないため、早急な行動が必要です。

競売開始決定から現地調査・期間入札に至るまでのスケジュール

競売開始決定通知が届いた後、裁判所の執行官による現地調査(自宅訪問と写真撮影)や物件評価が行われます。一般的には、開始決定から数ヶ月後に入札期間が設定され、その後開札が行われます。通知が届いてから開札まではおおむね半年程度の猶予があるため、この期間をどう使うかが運命を分けます。

時間がなくても諦めない!開札直前から競売を取り下げるための具体的手順

競売を取り下げるには、債権者が「競売を続けるよりも任意売却のほうが多くのお金を回収できる」と納得する状況を作らなければなりません。そのためには、一刻も早く任意売却の実績が豊富な専門家へ相談し、正確な査定額を算出して債権者との交渉をスタートさせることが絶対条件となります。

任意売却後の生活はどうなる?

売却後に残った住宅ローンは無理のない範囲で交渉

任意売却をしても残債が生じた場合、専門家を通じて債権者に現在の収入や家計の厳しさを説明し、月々5,000円から1万円程度といった無理のない範囲での分割返済に切り替えてもらう交渉を行います。

信用情報(ブラックリスト)に載っていても賃貸アパートの審査に通る方法

信用情報に事故情報が登録されていると、信販系の家賃保証会社を利用する賃貸物件の審査には通りにくくなります。しかし、信用情報を照会しない独立系の保証会社を利用する物件を選ぶことで、問題なく賃貸アパートを契約し、新生活を始めることが可能です。

収入減少や病気で返済が完全不能な場合の自己破産や生活保護との連携

病気や失業などで収入が絶たれ、任意売却後の少額返済すら難しい場合には、自己破産や個人再生などの法的な債務整理を並行して行うことが根本的な解決策となります。

自己破産をして借金をゼロにしたうえで、生活保護を受給して命と暮らしを守ることも正当な権利です。どのような制度を利用すべきか、法律と不動産の両面に明るい専門機関へ相談することが生活再建の最短ルートです。

任意売却は単なる競売の代わりではありません

任意売却は、単に家を売る方法を裁判所から不動産会社へ変えるだけの手続きではありません。それは、あなたとその家族が背負った人生の重荷を合法的に軽くし、安全に再出発するための救済措置です。

競売という最悪の結末を回避し、少しでも借金を減らすことができれば、その後の人生の難易度は劇的に下がります。

任意売却ができる人・できない人の境界線

任意売却は強力な解決策ですが、無条件で誰でも利用できるわけではありません。以下の要素が成否を大きく左右します。

競売の進行段階による違い

すでに入札期間が終了して開札を迎えてしまうと、いかなる理由があっても任意売却へ切り替えることは不可能です。タイムリミットである時間切れを迎える前に、1日でも早く専門家に相談して手続きを開始することが絶対条件です。

住宅ローンの残高と物件価値のバランス

住宅ローンの残高に対して現在の家の市場価値がどの程度あるのか、正確なバランスを確認する必要があります。この査定額をベースに、金融機関へ任意売却の許可を求める交渉が行われます。

債権者の判断がすべてを握る理由

任意売却は、お金を貸している債権者の同意がなければ一歩も進みません。債権者側は「競売のほうが手間をかけずに確実にお金を回収できる」と考えているため、彼らを説得して任意売却の許可をもらうには、専門家による高度な交渉術と緻密な計画の提示が不可欠となります。

任意売却が極めて難しいケース

「競売の段階が進みすぎている」「債権者が設定した売却価格に折り合いがつかない」「買い手が見つからない」といった理由で、任意売却が難航するケースは存在します。

また、離婚して連絡が取れない共有名義人や連帯保証人がいる場合や税金の滞納による多額の差し押さえが入っている場合も難易度は上がります。それでも、経験豊富な専門家が間に入ることで解決の糸口が見つかることは多いため、自己判断で諦めないことが重要です。

競売と任意売却の違いに関するよくある質問(FAQ)

Q. 競売と任意売却、どちらを選んだ方が得ですか?

経済的・精神的な負担を考慮すると、圧倒的に任意売却のほうが得であると言えます。市場価格に近い高値で売れるため残債を大幅に減らせるほか、プライバシーが守られ、引っ越し時期の融通が利くなど、所有者側にメリットが集中しているためです。

Q. 任意売却の手続きを専門家に依頼すると、費用は事前にいくらかかりますか?

相談時や依頼時にまとまった現金を手出しで支払う必要は基本的にありません。不動産会社に支払う仲介手数料などは、売却が成立した際に家の売却代金の中から精算される仕組みとなっているためです。手元に資金がなくても安心して依頼できます。

Q. 税金(固定資産税や住民税)を滞納して差し押さえられていますが、任意売却はできますか?

税金の滞納によって役所から不動産を差し押さえられていても、任意売却できる可能性は十分にあります。売却代金の中から滞納税の一部を納付することなどを条件に、役所と差し押さえ解除の交渉を行うためです。ただし交渉には専門知識が必要なため、早めの相談が不可欠です。

Q. 離婚した元配偶者が連帯保証人になっていますが、連絡が取れなくても任意売却できますか?

元配偶者が連帯保証人や共有名義人になっている場合、勝手に任意売却を進めることはできず、必ず本人の同意と署名が必要になります。連絡が取れない、あるいは直接話したくない場合でも、専門家が第三者として間に入り、事情を説明して同意を取り付けるサポートを行うため、まずは現状を相談してください。

大事なのは、手遅れになる前に「専門家と見極める」こと

任意売却は、競売という最悪の結末を回避し、生活の立て直しを図るための非常に有効な手段です。しかし、それが現在の状況において本当に実現可能なのか、あるいは自己破産などの法的な整理を優先すべきなのかは、素人の判断では見極めることが困難です。

今の段階で必要なのは、一人で抱え込んで時間を浪費することではありません。まずは専門家に状況を共有し、自分にとってどちらの選択肢が現実的で、どのような行動をとるべきかを見極めることです。

解決のタイムリミットが迫る前に、まずは競売回避の専門家へご相談ください。

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