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過剰競売とは

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ページ更新日:2026.08.27
もくじ
ここだけ読んでも大丈夫!
この記事でわかること
  • 必要以上の不動産まで競売にかけられる「超過売却(過剰売却)」は、法律上、原則として禁止されています。
  • 一部の不動産の売却だけで返済がまかなえる見込みがある場合、残りの不動産の売却は留保されます。
  • 裁判所から届く求意見書には、期日内にきちんと対応する必要があります。
  • 超過売却を止められても、返済に必要な範囲の売却は避けられません。
  • 財産をより広く守りたい場合は、任意売却への切り替えも選択肢になります。

「1つの不動産を売却するだけで返済できるはずなのに、所有しているすべての不動産が一度に安値で処分されてしまうのではないか」。複数の不動産を差し押さえられた方の多くが、こうした強い焦りや不安を抱えていらっしゃるかもしれません。

実は、法律(民事執行法)では、返済に必要な範囲を超えて不動産を競売にかけること、「超過売却(過剰売却)」は原則として禁止されています。必要以上に財産を失わないための仕組みが、あらかじめ用意されているのです。ここでは、その具体的な内容と対処法について詳しく解説していきます。

超過売却(過剰売却)とは?

超過売却禁止の趣旨(債務者の財産権を守り無益執行を防ぐため)

競売手続きでは、借金の返済に必要な範囲を超えて、不動産が売却されてしまうことを防ぐルールが定められています。これを「超過売却(超過差押え)」の禁止と呼びます。

たとえば、複数の不動産が差し押さえられていても、そのうちの一部を売却するだけで債権者への弁済と執行費用の負担がまかなえる見込みがある場合、残りの不動産まで売却する必要はありません。必要以上に財産を手放させることは、債務者の負担を大きくするだけの「無益な執行」にあたるためです。

超過売却を禁止する趣旨は、債務者の財産権に配慮しながら債権回収を図るという、競売本来の目的を達成することにあります。

※参照元:e-Gov法令検索 民事執行法 第73条 超過売却となる場合の措置
(https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004)

基本となる法律の基本構造

超過売却に関するルールは、民事執行法の複数の条文にまたがって定められています。

まず第73条は、複数の不動産を売却する際、一部の買受申出額だけで債権と執行費用の全額を弁済できる見込みがあれば、他の不動産に対する売却許可決定は留保しなければならないと定めています。あわせて、売却対象が複数ある場合には、ああらかじめ債務者から意見を聴取することも求められています。

次に第61条では、複数の不動産を一括して売却する「一括売却」について定めています。ただし書きでは、一部の不動産の買受可能価額だけで債権と執行費用をまかなえる見込みがある場合、債務者の同意がない限り一括売却はできないと規定。

なお、第188条では、これらの規定を担保不動産競売(住宅ローンなどの抵当権に基づく競売)にも準用すると定めた条文です。

※参照元:e-Gov法令検索 民事執行法 第73条・61条・188条
(https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004)

一括売却との違い

複数の不動産をまとめて売る「一括売却」自体は、違法な手続きではありません。土地と建物をセットで売る方が高値での売却が期待できるなど、一定の合理性が認められる場合には、通常の手続きとして認められています。

問題になるのは、一括売却の結果、差し押さえられた不動産すべてを処分しなくても債権と執行費用をまかなえる見込みがある「超過売却」に該当する場合です。

この場合に限り、債務者の同意がなければ一括売却は認められません。つまり、一括売却は原則として合法であり、超過売却に該当するときだけ規制の対象になるという関係にあります。

過剰な競売が禁止される要件

弁済見込みの計算

民事執行法第73条では、複数の不動産を売却した場合において、そのうちの一部の買受申出額だけで各債権者への弁済と執行費用の負担がまかなえる見込みがあるときは、他の不動産についての売却許可決定を留保しなければならないと定められています。この条文の中に「あるもの」とい表記がありますが、これは一括・複数競売の対象となっている複数の不動産のうち、その一部を指す言葉です。

たとえば、差し押さえられた不動産が3つあるとします。そのうち2つの評価額(買受可能価額)だけで債権者への弁済と手続き費用をまかなえる見通しが立てば、残り1つの不動産まで売却することは原則できません。これは必要以上に財産を失わせないための決まりであり、どれを売却するかは、事前に債務者の意見を聞く仕組みになっています。

※参照元:e-Gov法令検索 民事執行法 第73条 超過売却となる場合の措置
(https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004)

配当対象となる債権者の範囲

ここで対象となるのは、競売を申し立てた「申立債権者」、優先順位の高い「先順位債権者」、そして「同順位債権者」のみです。

申立債権者よりあとの「後順位債権者」は計算に含まれないため、後順位債権者がいても超過売却の判断には影響しません。

例外(同意による解除)

超過売却に該当する場合でも、債務者(所有者)本人の同意があれば一括売却などが認められるケースがあります。

超過売却の禁止は債務者を保護するための規定だからです。

債務者自身が、まとめて売った方が高値がつき、自分にメリットがある」と債務者本人が判断したなら、その意思が尊重されます。

なお、同意の意思表示は執行裁判所に対して行う必要があり、実務上は裁判所からの求意見書へ回答する形式で手続きを進めます。

過剰に競売されそうなとき、処分をストップさせる対処法

求意見書への対応

超過売却に該当する可能性がある場合、裁判所から債務者に対して「求意見書」が送付され、一括売却に同意するかどうかの意見を求められます。

ここで注意したいのは、期日までに回答をしないまま放置してしまうと、そのまま一括売却の手続きが進んでしまう危険があるという点です。同意しない場合は、その意思や主張を期日内に明確に示す必要があります。裁判所からの書類が届いた際は、内容をよく確認し、早めに対応しましょう。

手続のタイムリミット

超過売却を争う主張は、売却許可決定が出される前までに対応しなければなりません。

売却許可決定が確定してしまうと、その後に不当性を主張しても手続きを覆すことは難しくなります。少しでも過剰な処分の可能性を感じたら、決定が出る前の早い段階で専門家に相談し、対応を進めることが重要です。

過剰な競売を回避し、大切な財産を守るための解決策

任意売却への切り替え

超過売却の主張が認められた場合でも、処分が取り止めとなるのは「必要以上の不動産」に限られます。弁済に必要な不動産については引き続き競売が進められるため、競売手続きそのものや、安値になりがちな競売価格での処分を回避できるわけではありません。

財産をより広く守るなら、超過売却を主張するだけでなく、競売自体を取り下げる「任意売却」への切り替えが有効です。任意売却なら市場価格に近い金額で売りやすく、引っ越し時期の交渉もできます。また、売却後に残った借金についても、弁護士に相談しながら債務整理を進められます。

任意売却について詳しく見る

一人で抱え込まなくて大丈夫です

「複数の不動産が、一度にすべて競売にかけられてしまうかもしれない」。そう感じたとき、頭が真っ白になってしまうのは当然のことです。大切な自宅も、これまで守ってきた財産も、一気に失ってしまうのではないかという恐怖は、簡単に拭えるものではないと思います。

でも、必要以上の財産まで処分されることのないよう、法律にはきちんとした歯止めが用意されています。今の状況を正しく整理すれば、まだ守れるものが見えてくるはずです。

一人で抱え込む必要はありません。今の不安や状況を専門家に話してみることで、きっと気持ちが軽くなり、あなたに合った解決策が見つかるはずです。ぜひ一度、ご相談ください。

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